
2024年の全国水辺のごみ調査『水辺のごみ見っけ!』は、9年目の実施となりました。
2024年は河川管理者と大勢の市民で実施している清掃活動の結果なども増え、参加人数が大きく増加しました。
ごみを調査することにより、水辺のごみへ目を向け、水辺の環境への関心を高めました。
◎調査結果概要
■ 参加延べ人数
13,203人 [前年:7,401人]
■ 調査件数
820件(39都道府県で実施)※ [前年:39都道府県 873件]
内訳:川724 /海岸66 /湖沼30件
(その他、まち・水中で14件)
※同じ地点でも調査時期が異なる場合は複数件数としてカウント
※同時期・同一地域での調査は集計に含まず、別途参考データとしました(計70件)。
■ 調査期間
2024年4月~11月
■ 調査・回収された総数
飲料ペットボトル 38,323本 [前年:35,599]
レジ袋 5,266枚 [前年:8,953]
カップ型飲料容器 2,745個 [前年:3,808]
●減らないペットボトル
前年比で、参加人数は増加したものの、調査件数、調査距離が若干減少しています。
その年によって調査された個数の増減はありますが、前年と比較して、レジ袋、カップ型飲料容器の個数は減少傾向がありましたが、飲料ペットボトルの個数だけは増加となっています。
●河川管理者も協力
2022年以降、国土交通省の河川管理者も多くの河川で本調査を行っています(2024年は、52水系、計116地点での報告がありました)。
⇒水辺のごみ見っけ!2024の結果[概要][PDF:450KB]
◎参加者のコメント
調査と共に、参加者から、なぜここにごみがある考えられるか、気になったごみ、ごみを減らすためにできることなどのコメントをいただきました。その一部を紹介します。
■■■多く寄せられたコメント、気になるコメント■■■
〇人が集まる場所に多い/人目につかない場所に多い
・人が多く集まる場所にも関わらず、ごみ箱が少ないのが問題。ごみ箱の設置を!(鴨川、高瀬川、他多数)
・近くにグランドや広場があり,河川敷にBBQなどで訪れる人々のポイ捨てが多い(木曽川、他)
・コンビニ周辺のごみ問題が多い。罰金制度を導入することでごみ問題に対処できるのではないか(天神川、他)
・車で進入しやすく、橋脚付近は人目につきにくく不法投棄が多い。注意看板を/河川管理者(胆沢川、他多数)
〇ごみ拾いを定期的に行われている方からは・・・
・とにかくペットボトルが多すぎる!上流からの啓発が重要(球磨川)
・出水期なので、大雨が降るたびに川の岸辺に漂着ごみが多く到達する(筑後川、保津川、他)
・堤防上は車が通っており投げ捨てが多い(彦山川、他)
・釣り客(大抵一名)が草むらになんでも捨てていく。定期的に同じ人がポイ捨てしている(江戸川、猪名川、他)
・上流で捨てられたごみが漂着した/河川管理者(菊川、淀川、他多数)
・繁茂した草の中に多く、草丈が長い雑草を除去して、捨てにくい環境にする/河川管理者(揖保川)
〇ごみが少なくなっている!
・近年はごみの投棄が目立って少なく、草刈りや清掃活動が効果を上げている。ただし広範囲の草刈り作業が大変(石神井川)
・水辺の楽校として整備されており、人が集まりやすい場所である。草刈りや堰堤周辺の定期的な清掃により、ごみは比較的少なかった(遠賀川ほか)
・ごみ袋は有料化になってから投棄が少なくなった/河川管理者(山国川)
・車止めを設置したためごみの回収量が大幅に減った(札内川)
■■■コメントの分類■■■
参加者のみなさんに記載いただいたコメントを分類しました(コメント記載のある市民307、河川管理者70件の集計。重複カウント有)
■なぜここにごみがあると考えられますか?
1.上流からの漂流・増水による漂着 (市民38件、河川管理者25件)
2.ポイ捨てや持ち帰りの意識欠如、不法投棄 (市民55件、河川管理者42件)
3.ごみ箱の不足・人目につきにくい環境 (市民28件、河川管理者14件)
4.橋や駅、コンビニなど特定の場所に関連 (市民27件、河川管理者2件)
5.その他の背景要因 (市民82件、河川管理者9件)
•心理的要因:「既にごみがある場所に追加で捨てる心理」「景観が悪い場所はさらにごみが溜まりやすい」
•地域的・環境的要因:「風や動物によるごみの移動」「河川や用水路に溜まりやすい構造」「駐車スペース有」
•社会的背景:「人が集まりやすい場所でのごみ発生」「高齢者や若者が集まる特定の場所」「堤防天端が道路になっているため」
■ごみを減らすためにできることは?
1.ごみ箱の設置や管理 (市民100件、河川管理者1件)
看板、監視カメラ、花壇の設置 (市民18件、河川管理者11件)
2.教育や意識啓発 (市民5件、河川管理者7件)
3.地域の清掃活動 (市民14件、河川管理者2件)
4.取り締まり、規制強化 (市民3件、河川管理者1件)
5.ごみの減量・リサイクル (市民5件、河川管理者0件)
6.その他 (河川管理者6件)
•車両通行止め、ネットなどハード的対応、除草などで捨てにくい環境づくりなど
市民は、身近な街なかでの小河川や支流での調査が多く、河川管理者は河川敷が広く堤防道路があるような一級河川での調査が多いことによる差異がありますが、いずれもレジャー等の利用者が多いため、逆に人目につかない環境のために投棄されていることが挙げられました。また、心理的要因や社会的背景なども指摘されました。
ごみ削減に向けて、市民はごみ箱設置などの希望的なコメント、河川管理者は管理する側としての具体的な対策のコメントが多く見られました。
◎2024年調査実施団体・個人(掲載を希望しない団体・個人を除く)
☆☆ありがとうございました☆☆
[北海道]
NPO法人十勝多自然ネット、NPO法人帯広NPO28サポートセンター、むかわ町穂別河川愛護組合、NPO法人ダウン・ザ・テッシ、北海道カナディアンカヌークラブ”、NPO法人天塩川を清流にする会、旭川河川事務所、今金河川事務所、札幌河川事務所、江別河川事務所、岩見沢河川事務所、滝川河川事務所、千歳川河川事務所、帯広河川事務所、鵡川沙流川河川事務所、名寄河川事務所、遠軽開発事務所、北見河川事務所、幌延河川事務所、他
[東北地方]
川と海のビジターセンター、NPO法人パートナーシップオフィス、美ロード348プロジェクト、★美しい山形・最上川フォーラム、阿賀川・川の達人の会、ボランティアグループ「かけはし」、石巻・川のビジターセンター、(株)エフワ-ク、米代川の環境を守る会、広瀬川1万人プロジェクト実行委員会、北上川サポート協会、ふるさとの川・荒川づくり協議会、高瀬川河川事務所、北上川下流河川事務所(鹿島台・飯野川・米谷・鳴瀬・大崎出張所)、青森河川国道事務所(五所川原・藤崎・八戸出張所)、能代河川国道事務所、仙台河川国道事務所、山形河川国道事務所、岩手河川国道事務所(盛岡・水沢・一関出張所)、福島河川国道事務所、他
[関東地方]
NPO法人新田環境みらいの会、クリーンアップ砂川、★新河岸川水系水環境連絡会、まつどゼロウェイスト、★東京都市大学咸研究室、空堀川を考える会、NPO法人空堀川に清流を取り戻す会、多摩川とびはぜ倶楽部、都立久留米西高校(探究学習)、河と水辺を楽しむプロジェクト、隅田川流域クリーンキャンペーン実行委員会、台東学びのひろば2期、ふるさと清掃運動会実行委員会、(一社)大岡川川の駅運営委員会、富士川ファンクラブ六郷地区、みずとみどり研究会、富士山クラブ、(株)高山工業所、福田隆行、料治春陽 、高橋隆昌、他
[北陸・中部地方]
下諏訪町諏訪湖浄化推進連絡協議会、諏訪湖創生ビジョン推進会議、木曽川河畔の文化的景観を守る会、NPO坂祝まちづくり推進機構、木曽川左岸遊歩道を守る会、江南市/木曽川中流域を愛する会、SDGs木曽川流域の地産地消を楽しむ会、安倍川流木クリーンまつり実行委員会、金沢河川国道事務所、沼津河川国道事務所、静岡河川事務所、浜松河川国道事務所、庄内川河川事務所、木曽川下流河川事務所、木曽川上流河川事務所、三重河川国道事務所、小川紗友紀、山田優子、他
[近畿地方]
釣り人による清掃活動、★同志社大学(公共経済)、(公社)湘南工業団地協会、人と自然を守る会、NPO法人プロジェクト保津川、淀川河川レンジャー、南丹清掃(株)、京都友の会、舞鶴市立大浦小学校&大浦地域の方々、高槻市立第六中学校・自然観察同好会、門真エコネットワーク連絡会、ごみゼロ共創ネットワーク、三井住友海上火災保険株式会社、第一生命保険株式会社、日本武道玉谷道場スポーツ少年団、田上学区自治連合会、NPO地域と自然ちょいまる、淀川管内河川レンジャー、(株)フロンティア、猪名川河川事務所、琵琶湖河川事務所、姫路河川国道事務所、福井河川国道事務所、豊岡河川国道事務所、木津川上流河川事務所、淀川河川事務所、和歌山河川国道事務所、辻田良雄、山内美穂、大東輝彦・大東美輝、中村聡一、他
[中国・四国地方]
鳥取大学工学部社会システム土木系学科環境計画室、釣り人みんなで、ごみ拾い、佐波川に学ぶ会、あわっ子!エコ!クラブ、四万十川財団、田の口の環境を考える会、福山河川国道事務所、三次河川国道事務所、山口河川国道事務所、鳥取河川国道事務所、太田川河川事務所、倉吉河川国道事務所、香川河川国道事務所、松山河川国道事務所、高知河川国道事務所、まちやゆず子、他
[九州地方]
龍王・山・里・川の会、Good News、ダイキン油機エンジニアリング(株)九州(営)、嘉穂水辺の楽校周辺の環境を守る会、なつき河童団、NPO小竹に住みたいまちづくりの会、田川ふるさと川づくりの会、金辺川を楽しむ会、遠賀川いかだフェスタ実行委員会、原田自治犬鳴会、中島自然再生協議会、笹尾川水辺の楽校運営協議会、響みどりの会、嘉穂水辺の楽校周辺の環境を守る会、なつき河童団、次世代のためにがんばろ会、山国川水質保全連絡協議会、弥生の森と清流を守る会、伊万里市コミュニティーセンター、山国川河川事務所、佐伯河川国道事務所、武雄河川事務所、中島重人、他
(敬称略/順不同/その他個人多数)
※★印は、関連団体・個人でもたくさん調査いただいています。
※身近な水環境の全国一斉調査と共にたくさん報告をいただきました。
本調査は、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けて実施しました。