2023年の全国水辺のごみ調査『水辺のごみ見っけ!』は、8年目の実施となりました。
2023年は学生さんたちの参加が増えたことと、感染症対策が落ち着いてきたことも考えられ、各地で活発に調査され、調査件数がさらに増加しました。
ごみを調査することにより、水辺のごみへ目を向け、水辺の環境への関心を高めました。
◎調査結果概要
■ 参加延べ人数
7,401人 [前年:6,801人]
■ 調査件数
873件(39都道府県で実施)※ [前年:40都道府県 726件]
内訳:川694 /海岸89 /湖沼90件
(その他、まち・水中で28件)
※同じ地点でも調査時期が異なる場合は複数件数としてカウント
※同時期・同一地域での調査は集計に含まず、別途参考データとしました(計286件)。
■ 調査期間
2023年4月~11月
■ 調査・回収された総数
飲料ペットボトル 35,599本 [前年:278,842]
レジ袋 8,953枚 [前年:5,312]
カップ型飲料容器 3,808個 [前年:4,830]
●コロナ禍以降、調査件数増加
2020年以降、調査件数、調査距離、参加人数ともに毎年増加しています。
レジ袋については、2020年の有料化以降2022年まで減少傾向がありましたが、2023年は増加となりました。行動の活発化に伴うものか、過去の散乱物が回収されたものか原因は不明ですが、レジ袋削減をさらに推進する必要があると思われます。
●河川管理者も協力
2022年に引き続き、国土交通省の河川管理者も多くの河川で本調査を行いました。
⇒水辺のごみ見っけ!2023の結果[概要][PDF:500KB]
◎調査結果報告パンフレット
⇒『 水辺のごみ見っけ!2023の結果報告パンフレット』(A3判両面・二つ折り)[PDF:6.2MB]
◎参加者のコメント(一部抜粋)
■■■なぜ、ここにごみがあると考えられますか(市民・学生)■■■
1.上流からの漂流、増水による漂流
・上流から流れてきている(江戸川、淀川、保津川、木津川、竜田川、金倉川ほか)
・増水して流れ込んでくる(多摩川、鶴見川、保津川、洲本川ほか)
2.ポイ捨て・ごみを持ち帰らない
・人通りが少ないからポイ捨てしやすい(芹川橋、庄下川、宇治川ほか)
・レジャー、スポーツで来た方のごみ(多摩川、天竜川、淀川ほか)、釣り人が多い(仁井田川ほか)
・BBQや花火大会から出るごみを持ち帰らない、処理しきれていない(江戸川、竹田川、木津川、保津川、高瀬川、桂川、淀川、中田島海岸、生田川ほか)
・街のごみが流れ込む(空堀川)、付近の道路や畑から流れ込んだ(石田川)
3.ごみ箱が身近になく、また人目につきにくい
・近くにゴミ箱がないから(木曽川、鴨川、天神川、安威川、米川、猪名川、小畑川ほか)
・人通りが少ない場や茂みに不法投棄(木曽川、淀川、安威川、佐保川ほか)
4.橋の近くにごみを落とす人が多い、駅が近い、コンビニが近い
・橋の近くにごみが多かったので橋の上からごみを捨てる人が多いと考えた(十勝川、馬見ケ崎川、空堀川、天井川ほか)
・駅が近い、コンビニが近いから(有栖川、鴨川、猪名川)、駅近く、人通りが多いから(倉津川、女瀬川、安威川ほか)
5.その他
・元々ごみがあるから捨てていいと思って捨ててしまう人がいるから(守谷城址公園内小川)
・茂みや用水路にかたまる形でごみが見られた。誰かが捨てているから、私も捨てようという心理が働いたのではないか(千里川)
・決まった場所に捨てるのが習慣化されている(猪名川)
・最近、自動販売機横のごみ箱が少なくなってきていることがペットボトルのごみ量と関連があると考えるら(大和川)
■■■ごみを減らすためにできること(市民・学生)■■■
1.プラごみの危険性を発信、また廃プラスチック排出防止に向けて
[ポスター、看板等]
・地元の小学生にゴミのポイ捨て禁止のポスターを書いてもらう(小畑川)
[教育・アドバイス]
・学校等で教えるしかないと思う(江戸川)
[環境づくり]
・ごみを捨てにくい環境づくりをすることが大切だと考えます。監視体制の強化は必要かもしれない(十勝川)
[働きかけ]
・消費者のマナーも必要だが、生産者(つくる側)の回収責任も強化する必要がある(淀川)
・近隣で働く外国人が出しているようで、ゴミは持ち帰るよう周知すれば良い(竹田川)
2.設備・管理等
・ごみ箱の設置(馬見ケ崎川、鴨川、安威川、高瀬川ほか)
・防犯カメラ(木曽川) 、・街灯を増やす(名木川)
・土手の草を刈る(武庫川)
3.ごみ拾い
・捨てる人より拾う人を増やす。以前よりは少なくなった(空堀川)
・ごみ拾い(千里川、堀川ほか)
☆学生からのコメント
・ポイ捨て罰金。川への不当投棄への罰金を増やす、またリサイクルに報酬をつけるなどの政策を行う(寺川、芹川、内神川ほか)
・不法投棄禁止を呼びかける看板やダミーの監視カメラの設置。看板には法律で罰せられる場合の具体的な事例を記載することで抑止力に繋がる(住吉川、高瀬川、ほか)
・ごみ箱の設置をすることと、ごみ箱の位置を知るためのアプリや情報の掲載を行うことが有用できるのではないか(岡山県早島町の用水路)
☆その他のコメント
〇想像以上にごみが少なかった
・鴨川はもっと汚いイメージがあったが、案外ごみの量が少なくて驚いた(鴨川)
〇ごみの実態を目の当たりにして感じたこと
・投げ入れて捨てることが多く、立ち入り禁止の場所に沢山落ちていて、回収ができなくてどうすればいいか困った(守谷沼)
〇劣化が進むプラごみが難儀
・レジ袋は劣化が進んでいて、原型をとどめているものが少なかった。スーパーでタダでくれるビニール袋も多数あった。砂地に張り付いたプラごみは多くが劣化し、拾い上げるのに難儀した(江戸川)
〇意識改革を(根本的な解決に向けて)
・定期的に清掃活動をすることも大切ですが、根本的な解決が必要だと感じた(鴨川)
・ごみの不法投棄禁止など、注意喚起の看板もあった。それでもごみを捨てている人がいることは問題だと思った(猪名川)
■■■ごみの状況と散乱理由(河川管理者)■■■
・堤防(天端、堤防道路)では、車両からの投げ捨て
堤防天端を走行する車両が多いため
堤防道路通行時のポイ捨て、渋滞中のトラックからのポイ捨て
・高水敷では、利用者の不法投棄
高水敷は、地域の祭やイベント、駐車場などの広場として利用されている
橋梁の下、橋梁の上から
・低水路では、上流や海から
上流より流れ着いたゴミが多いと考えられる、海から流れ出てきたものもあった
[散乱理由]
・人目につきにくい、捨てやすい環境での不法投棄
・茂みの中や橋の下など目立ちにくいところ、人目につかないところのため
・河川利用者が多いところでの、放置、ポイ捨て、不法投棄
・駐車スペース、停車中の車両など、車関連からの不法投棄
・漂着。洪水や増水で水位が上昇し、流れ着き、高水敷に残されている
・上流(支流含む)や本流から流れてて、水が引いて取り残されたもの
■■■ごみを減らすためにできること(河川管理者)■■■
[啓蒙・啓発]
・市民参加型のごみ拾いを通じて啓蒙活動を実施、市民のごみゼロへの意識を高める
・自治体との連携などでソフト対策(チラシ配布や啓発活動など)を地道に実施
[アピール、呼びかけ]
・農業用シートの流出や風で飛ばされることの無いようにアピールしていく
・ごみ処理に多額の税金がかかっていることをアピールする
・橋脚に「ゴミ捨て禁止」の注意書きを貼る
[広報、看板等]
・ゴミの持ち帰りを促す注意看板など設置、・ゴミ捨て禁止看板の設置
・不法投棄注意喚起看板の設置・看板設置
※看板の効果が見られない
・ひどい箇所には看板設置などをしているが改善されない
・注意看板を設置していが効果が見られない箇所もある
[ごみ箱設置]・ごみ箱が少なく感じたので、多く設置した方が良いのではないか
[監視カメラ]・監視カメラの設置、センサーライト設置
[パトロール]・呼びかけるだけではごみは減らないと思うので、パトロールなどに力を入れる
[取締り]・関係機関と連携した不法投棄防止取組強化(久慈川)、悪質な利用者には地元警察との連携
[草刈り]・ごみの捨てにくい環境づくりとして、継続的な高水敷等の除草作業
[ごみ拾い]・ゴミ拾いボランティアへの支援体制の強化、参加型のごみ拾いイベントを開く
[進入禁止、車両対応]・河川敷への車両通行止対応等が必要
[発生源対策、一人ひとりの意識]・街中のポイ捨てをなくす、・住民が自意識を持ち適切な廃棄
◎2023年調査実施団体・個人(掲載を希望しない団体・個人を除く)
☆☆ありがとうございました☆☆
[北海道・東北地方]
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(敬称略/順不同/その他個人多数)
※★印は、関連団体・個人でもたくさん調査いただいています。
※身近な水環境の全国一斉調査と共にたくさん報告をいただきました。
本調査は、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けて実施しました。