
2025年12月20日(土)、同志社大学東京サテライトキャンパス(東京都中央区)にて、オンライン併用で「第11回川ごみサミット」を開催しました。
この秋にオンラインで3回開催した「全世代リレーミーティング」で紹介いただき、学んだ事例をベースに、『多世代ですすめる豊かな流域づくり』を全体テーマに、個別テーマ毎の話し合いを行いました。全世代リレーミーティングで報告いただいた若い世代の方々にも多くご参加いただきました。
市民、市民団体、業界団体、行政、研究者など約50名が参加し、川ごみ問題の解決に向けた、多世代連携、河川管理者との協働、流域での連携、役割の明確化、中間支援組織の役割、制度化、大学との連携など様々なことを共に考えました。
【第1部】多世代連携のヒント ~若者世代も活躍する活動から~
地域の未来・志援センター 三ツ松由有子さんがファシリテーターとなり進行しました。
まず、これまで3回開催された全世代リレーミーティングで得た情報などをふりかえりながら各団体の参加者からお話を伺いました。
・魚と子どものネットワーク 米田紗歩さん、
・NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA) 出水響さん・箭野純貴さん
・信州こどもエコレンジャー MAGES 眞嶋美波さん



また、エシカルプレイヤーコンテストで優秀賞を受賞した南山大学3年生の加藤珠生さんにも参加いただき、新たな視点からの意見も話されました。
若者の活動がいろいろなセクターの刺激になり次の展開にすすめること、学生が寄ってくると他の市民も寄ってくることなどが伝えられました。
学生のちょっぴり先輩からは、目的意識を持ちしっかり考えてもらうこと、学生をお客さんでなく主体性を持たせることが大事。主体性を持たせつつもそれをサポートしていくことや、リスクも教えて具体化していくプロセスで当事者意識を持たせていくことが重要などの貴重な話もたくさん聞くことができました。
学生からは、場を提供してもらい貴重な体験をさせてもらっていることが価値あること、ソーシャルでない人にも伝えていきたいことなどが話されました。
中間支援組織に声をかけ誘ってもらったことで、人と人との出会いができ、経験・お金・人脈などのない学生でも挑戦できる環境を創ってくれたことが役立っているという話もあり、中間支援組織の役割が大きいことも伝えられました。
【第2部】多世代が融合しての川ごみ対策・流域づくり
大きく3つのテーマに分けてそれぞれで、意見交換を行いました。
(意見交換の内容については、後日報告書にて)
テーマ(1)流域総合水管理の展開、水環境調査との連携など
当ネットワーク理事の近藤朗(22世紀奈佐の浜プロジェクト委員会)がファシリテーターとなり話題を展開しました。
〇これまで川ごみサミットで残されてきたこと
第1回川ごみサミットから昨年開催された第10回までを、簡単にふりかえり、残されてきた課題をあらためて認識しました。
・各セクターの役割を明確にしよう
・ここにいない人たちに広げるべき、
・主な発生源である都市(まち)も流域の一員である
・河川管理者との協働、連携体制が継承されているか
・仕組みの構築や法改正も必要
・全国民が自分ごとにできるか
など、どれもすぐに解決できるような課題ではないが、「学生など若い人たちや女性など、ここにいない人たちに広げるべき」ということが過去に挙げられていたのが、今回に繋がり、進歩してきていることを感じました。
〇シン時代の提言・計画など
・流域総合水管理、第6時環境基本計画、地方創成2.0を踏まえ、「あらゆる関係者」「国民」「みんな」で取組むことが求められています。
・まずは、国土交通省 河川環境課 藤井企画専門官より、流域総合水管理の概要について説明。
その中で、ごみ問題や、河川協力団体制度の位置づけなどについてもお話いただき、制度についても工夫できることは早くやっていきたいというお話もありました。



〇セクターを超え。河川管理者・行政のみならず企業・業界団体との連携
・日本プラスチック工業連盟、PETボトル協議会、中間支援団体、その他の会場参加者等の声もききながら、課題解決に向けた取組みについて考えました。
テーマ(2)水辺の回収活動、啓発対策の促進に向けた法制度運用の工夫など
当ネットワーク理事の原田禎夫(NPO法人プロジェクト保津川/同志社大学経済学部 准教授)がファシリテーターとなり話題を展開しました。
〇INCをふりかえって(プラスチック汚染をめぐる国際的な議論の中で)
・環境省海洋プラスチック汚染対策室 中山室長より、いまだ合意に至らない状況。日本は、生産者責任(EPR)の強化を訴え、多くの国が参加するよう働きかけていること、製造・設計から廃棄。リサイクルまで、ライフスタイル全体で取り組む必要があることなどを説明。他にも特定の層(トラック運転手など)に向けたピンポイント啓発も展開していることを紹介。
ごみ問題や、河川協力団体制度の位置づけなどについてもお話いただき、制度についても工夫できることは早くやっていきたいというお話もありました。
〇中間支援組織として
・関心のない人に、どう行動変容させるかは、地域ごとに違うであろうが、
各地方ごと(全国8カ所)に環境省がパートナーシップオフィスを設置・運営している。地方の中間支援の役割を担うので大いに利用してほしい。
〇回収ごみの扱い
・川のごみは、法律上ごみとしての定義がなく、誰が処理するのかが定まっていない。地方自治体によって、対応がバラバラで市民団体が困惑している。今後、制度的に明確化されることが望まれていることなどを共有。
テーマ(3)自治体や大学が担えることを探る
当ネットワーク理事の小口智徳(下諏訪町諏訪湖浄化推進連絡協議会/岡谷市職員)がファシリテーターとなり話題を展開しました。
〇自治体が若者へ場を提供することで展開
まずは、岡谷市の事例として、市のこどもエククラブ事業とそこに関連する複数の団体があり、その関連団体からのつながりやサポートの継続から、学生のボランティアグループが生まれ、活動が展開されてきたことを紹介。
関連し、長野放送の嶌田さんからメディアとして活動を知らない層へ「伝える」こと、活動者にスポットライトを当てることで支援していることをオンラインで紹介


〇大学からの支援
信州こどもエコレンジャーMAGES 眞嶋美波さんから、信州大学からの助成金による資金と人的支援があること、山形大学 下平先生から大学からの支援金のしくみ、サークルの持続的な活動で実績が積まれれば外部の支援を受けることができていることなどについて紹介。
〇若い世代へのアドバイス
国土交通省藤井企画専門官、環境省中山室長より、それぞれ、怖がらずに相談してほしいこと、人のつながり支援をする組織(環境パートナーシップオフィス)やポータルサイトの仕組みなどを活用してほしいということも紹介されました。
※「水辺の環境活動プラットフォーム」https://policies.env.go.jp/water/waterside-environment/ のポータルサイトを、環境省が5月に開設。
〇中間支援組織が重要
環境省側には、協働・連携のコーディネーターに関する協働ハンドブックがあり、積み重ねがある。環境省・国交省間で風通しをよくして、川で活動する人たちにも活かしてほしい。環境問題は持続的に伝えていかねばならない。そのためには中間支援が重要となるので、将来の投資としてほしい。といった意見も出されました。
最後に、まとめとして、同志社大学経済学部の原田禎夫准教授よりメッセージが伝えられました。
・学園祭ではリユース食器導入が困難だったが、しくみづくりが大切。
・新しいことを始め、チャレンジしていくことで世の中を変えることとなり大切。
・今回は、多様な世代と一緒に議論をすすめられ今後をすすめる上での良い節目となった。
■主 催:全国川ごみネットワーク
■協 賛 :日本プラスチック工業連盟、一般社団法人プラスチック循環利用協会、PETボトル協議会 (五十音順)
■協 力 :同志社大学、株式会社ATSURAELU
■後 援 :国土交通省
※本イベントは、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けて開催しました