2023年11月18日(土) 諏訪湖ハイツ(長野県岡谷市)にて、「第9回川ごみサミットin諏訪湖」を開催しました。
「川と海の見えないごみ=マイクロプラスチック=を考える」をテーマに、諏訪湖のごみやマイクロプラスチックの現状、子どもたちの活動、徐放性被覆肥料や人工芝などのマイクロプラスチックの課題などが発表されました。
市民、市民団体、業界団体、行政、研究者など約110名が参加。最後に意見交換会でそれぞれの意見を出し合いました。
【第1部】諏訪湖のごみ調査[見えるごみ]
諏訪湖創生ビジョン推進会議の田邊皇子さんから、水辺のごみ調査による諏訪湖のごみでは、プラスチック製品由来が約9割を占めることなどが報告。
信州大学大学院総合理工学研究科の﨏川岳大さんから、諏訪湖でも「見えない」大きさのマイクロプラスチック数が多く、浮くはずのプラスチックも湖底に沈んでいるという研究報告。
諏訪市立上諏訪中学校は、毎年、年に3回諏訪湖のごみ拾いをし、ごみの調査もすることでごみへの関心も高まり研究課題としている生徒も多いということ。
下諏訪町立下諏訪南小学校6年1組の児童たちは、道徳でごみに興味を持ち、ごみ拾いを行い、総合的な学習の時間で学び考えたことを劇を交えて発表。
岡谷こどもエコクラブの子どもたちは、諏訪湖のごみ拾いのを通して感じたことなどを発表。
その後、みんなで作った諏訪湖のごみ掲示パネルを諏訪湖創生ビジョン推進会議に贈呈しました。こどもたちからは、「たくさんの人に諏訪湖のごみのことを伝えてください。私たちが大人になる頃にはごみのないきれいな諏訪湖にごみっていると嬉しい」と伝えられました。
総評として、同志社大学経済学部の原田禎夫准教授から、
「地域のみなさんが諏訪湖大好きであることを感じました。シジミの話が出たが、プラごみのことだけでなく、どういう環境にしていきたいか考えることが大事。調査をしていることは対策の上でも、他との比較できるのでも大切なことです。この地域の取り組みが共有され、世界的なプラごみ削減に寄与するものへとつながると嬉しい。」などのお話をいただきました。
【第2部】川のマイクロプラスチック[見えないごみ]を考える
四日市大学環境情報学部の千葉賢教授からは、徐放性肥料カプセルが散乱している現状と、行政や業界が動けば発生抑制も可能であるとのことなどをビデオメッセージで伝えていただきました。
環境ジャーナリストの栗岡理子さんからは、人工芝のグラウンドからのマイクロプラスチック流出抑制対策には限界があることやゴムチップの問題を発表。
国土交通省河川環境課の阿河一穂課長補佐からは、河川管理者が行ってりいる河川ごみへの対応などが伝えられました。
【意見交換】
まず山梨マイクロプラスチック削減プロジェクトの日向治子さんが人工芝の課題について話題提供。その後、参加いただいた会場のみなさまで、諏訪湖の環境改善のこと、マイクロプラスチック調査のこと、プラスチック業界の思いなどさまざまな発言、意見交換が行われました(詳細は後日、報告集にて)。
半日のイベントでしたが、産官学民のいろいろな立場の人が集い、川と海の見えるごみ・見えないごみや環境について、共に学び、考えました。
エクスカーション
翌19日は、エクスカーションとして、希望者が早朝7時からの諏訪湖クリーン作戦に参加し、日頃活動する身近な地域と諏訪湖のごみの違いを感じたり、諏訪湖で長年清掃活動されている方々のお話も聞くこともできました。岡谷の産業を支えてきた岡谷蚕糸博物館の見学など地域のことも学んだり、遠くに雪の八ヶ岳を望む美しい諏訪湖の風景を楽しみました。
■主催・共催:全国川ごみネットワーク、
海と日本プロジェクトin 長野、
下諏訪町諏訪湖浄化推進連絡協議会
■後 援 :国土交通省、長野県、岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、
富士見町、原村、美しい環境づくり諏訪地域推進会議
■協 賛 :一般社団法人プラスチック循環利用協会
■協 力 :諏訪湖創生ビジョン推進会議
※本イベントは、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けています
※本イベントは、日本財団が推進する海と日本プロジェクトCHANGE FOR THE BLUEの一環としておこなわれました