水辺のごみ見っけ!に関するアンケート結果(2024年8月)

水辺のごみ見っけ!調査の課題を知ること。水辺のごみ対策の実践事例を知り皆と共有しあうことを目的に2024年6月にアンケートを実施しました。
一般、学生、河川管理者など計111人から回答をいただきました。
その一部を紹介します。

1.最近のごみの増減の傾向

グラフ1

「わからない」の回答を除くと、約7割が「変わらない」、約2割が「減っている」、約1割が「増えている」の回答であった。
〇増えている理由として考えられていることは、
・散乱報告が増加していること、外出人数が増えていることなど
〇減っている理由として考えられたことは、
・清掃活動の成果が多く挙げられた
・プラの海洋汚染等が配慮されるようになった、河川環境に対する意識が高まっている。
 などの前向きな回答もあった。
 

2.(身近でみられる)ごみの対策

グラフ2

身近でみられるごみ対策としては、「看板設置」67%、「定期的なごみ拾い」56%が多く回答された。
 
その他の、ごみ対策
・不法投棄の多い所に赤い小さな鳥居の設置
・地域の小学生が水辺調査、啓発でチラシやポスター作成
・自治体・地域住民とのパートナーシップによる清掃活動
・花壇を作り、定期的な手入れ
 などが報告された。
 

3.ごみ対策の効果

グラフ3


対策の効果としては、市民は効果少ないことの記述が多く、河川管理者は効果がみられる記述も多く見られた。看板やカメラは、設置しても他のところに捨てられてイタチごっこであること。ないよりはある方がよい等。車両進入禁止も効果有、なしの両意見など、いずれも、場所(回答者)によって効果の有無は両意見が出された。

 

4.水辺のごみ削減に役立ったと思われること
ごみ集積場の改善と地域住民に管理を徹底したこと。看板の掲載内容を変更したこと。地域住民と自治体と連携してごみを撤去>再度の投棄がないよう徹底したこと。自主的なごみ拾いのごみの処分を河川管理者が行うこと。沿川市町と協働した継続したごみ拾いで意識醸成したこと。等ごみ削減に役立ったことが回答された。

☆注目したいごみ削減の取り組み
[事例1:ごみ集積所の管理]
看板設置や集積所の改良はそれなりの効果を生んでいる。管理の甘い集積所の改善を住民に訴えている(河川ごみは生活ごみが多く、集積所の管理(生活ごみ回収後の清掃)ができているところは散乱ごみが少ない)

[事例2:のぼり旗の効果的活用]
SNSで賛同者を募り活動を始めた。活動報告を町、県の担当者へ報告している。
町衛生組合連合会では、のぼり旗の設置の方法を変えた。1メートルおきに5本、道路両側に計10本を設置、それを二か所に設置した。

[事例3:不法投棄の撤去と持ち込み防止(河川管理者)]
良く不法投棄される場所のゴミの撤去を付近の住民と自治体の清掃課に協力を呼びかけ撤去し、再度投棄できないように車の進入できないような措置とダミーカメラの設置を行った。

[事例4:自主的ごみ拾いの支援(河川管理者)]
自主的な河川利用者(釣人、散歩)によるゴミ拾いを歓迎している。(処分は河川管理者)

 
 
5.ごみ対策で課題と思われること
一般からは、意義がわかりづらいこと。メーカー等も一体に発生減対策が進んでいないことなど。
学生からは、ごみ箱がなく、回収することが困難なことなど。河川管理者からは、処分費の負担が大きいことが多数。侵入防止柵を付けての課題や看板の数等の具体的な課題。対策を一部で行っても全体的な削減に繫がらないことなどが回答された。

 
===アンケートの概要===
■主体 :全国川ごみネットワーク
■対象 :水辺のごみ見っけ前年度報告者(市民、河川管理者)、河川事務所の今年度担当者、
同志大学の原田准教授授業受講学生
■期間 :2024年6月13日~6月28日
■方法 :ダイレクトEメールによる依頼 ― グーグルフォームへの回答
     メーリングリストによる回答依頼 ― 同上
     国交省河川環境課および地方整備局を通じた担当者への依頼― グーグルフォーム、エクセルフォームの回答を併用
■回答数 :111(内、会員・一般18,学生46,河川管理者47)
 
 
◎結果概要版の詳細◎
 ⇒全国水辺のごみ調査アンケート結果まとめ(概要版)(PDF,9ページ、1.4MB)
 
※本アンケートは、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けて実施しました。