2022年1月17日(月)、墨田区立菊川小学校で、川ごみ・海ごみの出前授業を行いました。対象は5年生の2学級54人で、体育館での2時限の合同授業です。
■海の生物が苦しんでいる
先ずは、亀やアザラシ、コアホウドリやクジラなど、海の生物がプラスチックごみを誤って食べてしまったり、捨てられたプラスチックごみに絡まって抜けられなくなったりして苦しんでいる事例を紹介しました。
海の生物が、私たちのごみによって苦しめられていることに心を痛めた児童も多かったようです。海底に沈んでいる多くのペットボトルの写真や、今のように、ごみの海への流入が続くと、2050年にはごみの量が魚よりも多くなるということに、児童たちはとても驚いた様子でした。
■街のごみが川から海へ
私たちの生活から出たごみが、水路や川を通って海に出て行くことを、学校近くの横十間川の川原や、大横川の遊歩道のごみを例に説明しました。
街にポイ捨てされたごみは水路を通じて川に入ります。川原や遊歩道にポイ捨てされたごみも川に入って流されてしまいます。ごみ集積場にきちんと出したはずのごみが、カラスや猫に荒らされて、水路や川に入ってしまうこともあります。
■ごみを減らすために何ができるか?
1時限目の後半と2時限目は、ネイチャーリーダー江東の阿河眞人さんにご協力を頂き、児童たちに主体的に参加してもらうワークショップの形式で進めました。5人程度の班に分かれて色々意見を出し合ってもらいます。先ず荒川で拾ったごみの実物を児童たちに見てもらい、生活の中で、どんなものがごみとして出るのかを考えてもらいました。
使い捨て製品がごみになることはもちろんですが、そうでないもの、例えば、毎日着ている洋服や、勉強に使っている定規や下敷きも、長く使っていたんで来るとごみになります。つまり、時間が経つと、たいていのものはごみになることに多くの児童たちは気付いてくれたようです。
そこで、特に減らしたいごみを1つ決めて、どうしたらそのごみを減らせるかを考えてもらいました。ペットボトルを買わずに水筒を持って行く、牛乳パックをリサイクルする、古くなった衣類を親戚の子や知り合いの子にあげるなど、日々の生活の中ですぐできそうなことを沢山挙げてくれました。子供の自分たちでもできることがあるということに気付いてくれたようです。
■最後に
このワークショップでは、児童たちに考えて、行動してもらうということが大きな目的の一つですが、授業のことを家に帰って家族に話してもらうということも期待しています。児童の口からごみを減らしたいという言葉を聞いた大人は、普段の生活でごみを減らすことに、改めて意識を向けてくれるのではないでしょうか?
海や川のごみを減らすために、これはという妙案がある訳ではありませんが、ごみのことに関心を持って行動してくれる人を増やして行くという地道な行動が大事です。そのために、多くの学校の児童たちに、ごみのことをこれからも伝え続けていきたいと思います。
■児童の感想(一部抜粋)
◎わかったこと
・2050年には、海のごみの量が魚の量を超えること
・大阪湾の海底に300万枚の買い物袋が沈んでいること
・海や川と共存しながら生活することが大事であること
・ポイ捨てしたごみが、風に飛ばされて川に入り、海まで流れて行くこと
・海底に大量のペットボトルが沈んでいて、生物が苦しむ原因になっていること
・海に出たごみは生態系を破壊すること
・3Rの中でも、ごみを減らすリデュースが最も大事であること
◎これからやろうと思ったこと
・資源を節約する
・ごみを減らすデュースを最優先する
・衣類は人にあげたりしてリユースする
・牛乳パックをリサイクルする
・買い物袋を持参する
・ペットボトルは買わず、水筒を持ち歩く
※この日の活動は、独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金企業協働プロジェクト(LOVE BLUE助成)を受け実施しました。