「川のごみを減らすには?」

 10月14日(木)、墨田区立二葉小学校で出前授業を行いました。題名は、「川のごみを減らすには?」です。
 対象は、5年生112人です。学校のすぐ近くには隅田川が流れているのですが、川に行くことは必ずしも多くないようです。墨田川では、東京都が船を使って毎日清掃しているため、殆どごみが見当たりません。遊歩道も清掃が行き届いていて、小さなごみがわずかに見付かる程度です。このように隅田川ではきれいな環境が保たれています。
 
 

■鮎が行き交うくらい水質が改善
 今では河口から鮎が上流まで上っていると考えられているくらい水質も改善されましたが、昭和30年代には、工業排水が垂れ流されていたために悪臭がひどく、船に乗っている人は皆ハンカチで口を押えていました。

  
 
 
 長年隅田川の清掃活動に取り組んで来られた隅田川流域クリーンキャンペーンの藤原さんにもお話して頂きました。昔は電気製品などの大型ごみが捨てられていて酷い状態だったのですが、遊歩道からごみ箱を撤去してからかなりきれいになったとのことです。

  
 
 
■街の中はまだまだ
 このように墨田川はきれいになったものの、川から二葉小に行くとき通る街の中は、他の地域と同様、必ずしもきれいなわけではありません。自動販売機の横の空き容器入れからはびん、缶、ペットボトルや、それ以外のごみもあふれています。このような散乱ごみが、水路を通じて川に入り、それが海に出て海流と風によって世界を巡り、海に棲む生物を苦しめている話は、子ども達の印象に残ったようです。
  
 
 
 
 子ども達にアザラシや亀になって、網に絡まる体験をしてもらいましたが、手が使えない海の生物は、絡まった網から逃れるのに大変な苦労をしています。遊びを通じて、川ごみや海ごみの問題を理解してもらえたのではないかと思います。
 
 
 
 
■最後に
 「私達の出すごみが海の生物を苦しめていることが分かった」、「シャンプーは詰め替え用を買ってごみを減らしたい」、「清掃活動に参加したい」など、これからの世界を担う子ども達から嬉しい感想を聞くことができました。
 今回の授業を通じて、美しい自然を守るために何か行動したいと思う子ども達が増えたら嬉しく思います。
 
■児童の感想(一部抜粋)
◎話を聞いて分かったこと
・川には自分達が思っているより沢山のプラスチックがあることが分かった。
・ごみが沢山出されているのは知っていたが、このままごみを増やし続けると、海の魚よりもごみの方が多くなるということを初めて知った。
・人間のせいで、多くの海の生物の命が失われている。
・私達が何気なく捨てたプラスチックが、海の魚達の死につながることが分かった。

 
◎自分でできること、やろうと思ったこと
・プラスチックの使い捨て容器をなるべく使わない。
・3Rを行ってごみを減らしたい。海をごみで汚したくないから。特にリデュースを徹底したい。
・買い物にはエコバッグを使って、レジ袋(プラごみ)を減らしたい。
・ごみを拾うキャンペーンに参加して、ごみの量を見てみたい。
・ごみはなるべくリサイクルし、シャンプーやリンスは、詰め替え用を使って行く。
・ごみを減らすためにできることは沢山あることが分かったので、これを習慣付けようと思った。

 
※この日の活動の一部は、独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金企業協働プロジェクト(LOVE BLUE助成)を受け実施しました。