国土交通省では、全国の一級河川それぞれで河川ごみマップを作成し公開しています。
そのごみマップが、ごみ削減の啓発ツールとして役立つにはどのようにすればよいのだろうかを考える中で、今年度は、5つの河川事務所と市民団体で活動する個人5名にヒアリングをさせていただきました。その一部を紹介します。
1.河川ごみの認知と啓発について
〇河川ごみの問題の流域での認知
・一斉清掃参加者などには知られているが、それは一部。
・日常的には知られていないと思う(洪水時は別として)
〇河川ごみ削減について何を知ってもらいたいか
・ポイ捨て防止(河川管理者)
・支流もまちなかのごみも最終的には川に入る(市民団体)
・海に流れ着いてしまうこと(市民団体)
2.河川ごみマップによる啓発について
〇マップで、何を伝えたいか
・ごみを自分事として、地区で管理見回りの実施や、注意喚起が行われるとよい
・どこにどういうごみがあるのかを知ってもらい、視覚的に訴える(河川管理者)
・不法投棄がこれだけある現状。犯罪であることや、検挙の具体例。(河川管理者)
・川にあってはならないものがある。費用がかかること(市民団体)
・人工的なプラごみが海ごみとなっていること。肥料カプセル、マイクロプラスチック等(市民団体)
・支流から入ってきていること。(市民団体)
3.改善に向けて
・河川協力団体に巡視、調査してもらうには、何のためかの意味付けがないとできない(河川管理者)
・事業でないとボランティアで難しい。(市民団体)
・印刷物でなく、パネルがあるとよい。スマホアプリがあるとよい(市民団体)
4.マップ以外の川ごみ削減啓発
・ごみ拾いイベント、ポスターコンクール、出前授業、ツイッター、Facebook
・体験講座、川や生き物と絡めた講座、
・いつも監視していることを示すために監視カメラの設置。見えない場所をつくらない
・草刈り。きれいになっていると捨てられない
5.課題
・不法投棄対策は自治体の所管であり、落とし物の扱いであり、すぐに処分できない
・堤防道路が一般道路となっている。県・市などの管轄。そこにごみが多い
・自治体にももっと関心をもってほしい、処理費用の負担をしてほしい
・河川敷内の民地から排出されるごみや不法投棄が問題。完全に立ち入り禁止にできない
・大半は町の水路や河川からきている。町にごみを捨てないことをしていかねばならない!
など。
〇考察
どのようなマップとするかに加え、どのように活用していくかも併せて考え、
より活用のできるマップへと改善していくことが何よりも大切と考えられる。
いずれにしても、ごみの現状だけでなく、削減対策も提示されていることが重要。その他。。。
ヒアリング内容、考察、提案などの詳細は、以下をご参照ください。
□河川ごみマップに関するヒアリングの報告[PDF]
(参考)
□国土交通省HP 全国の河川ごみマップ
http://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kankyo/kankyou/gomimap/index.html
※本調査は、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けて実施しました