[報告]川ごみサミット亀岡保津川会議を開催しました。

3月4日(土)亀岡市にある京都学園大学亀岡キャンパスにおいて
第3回川ごみサミット亀岡保津川会議を開催しました。
当日は、55名が参加し、事例報告、グループ討議、パネルディスカッションを行い、
川ごみを削減し、人も魚も喜ぶような川づくりを目指した様々な話が展開しました。

【開会】
最初に、亀岡市の桂川孝裕市長よりご挨拶をいただきました。
続いて、全国川ごみネットワーク事務局より、開催趣旨、これまでの経緯などの説明と、
”水辺のごみ見っけ!”の報告をしました。

亀岡市 桂川市長
大勢の方にご参加いただきました


【事例紹介】
川ごみに関連して各地の河川で行われている取り組みを紹介いただきました。

1)普及啓発~クリーンツーリズムを通じて~
NPO法人パートナーシップオフィス 金子博様

山形県の最上川やその河口でのごみの状況を紹介。海岸ではマイクロプラスチックごみが増大している。「飛島クリーンツーリズム」では、山形県内の小中学生が酒田市の沖合の飛島に行ってごみについて学ぶ体験型環境教育を実施し、啓発を行っている。


2)流域連携~遠賀川での取り組み~
福岡県飯塚市環境整備課 仲村暁様
福岡県の遠賀川では、遠賀川での河川清掃を中心とした「I LOVE 遠賀川」のイベントを実行委員会が29年間毎年開催している。遠賀川流域の様々な活動団体、自治体などが連携し、ふるさとの川を大切にしている。


3)生業と川ごみ
保津川遊船企業組合 豊田知八様

保津峡で風景美を楽しむ”保津川下り”の船頭さんたちが、増水後の漂着ごみの回収から保津川下りエコグリーン委員会を創り、船を使ってのごみ回収、河原のゴミ回収、植林など環境保全活動を行っている。「保津川の環境を守りたい!船頭たちの挑戦!」として紹介。


4)自治体の取り組み
京都府環境部循環型社会推進課 山本順一様
京都府では、平成21年度の海岸漂着物処理推進法の施行より、海岸漂着物の回収・処理事業を行っている。海岸の市町・地域においての海岸漂着物処理についての理解が深まった。発生抑制事業も行っているが効率的な発生抑制については検討が必要。

【グループ討議】
以下の3つのグループに分かれ、グループ内でそれぞれのテーマに従い意見交換を行いました。
話しあった結果は、最後に発表をしました。
A 普及啓発  :教育
B 流域連携  :モデル流域、河川協力団体
C 生業と川ごみ:内水面漁業、川下り

討議(グループC)
まとめ(グループB)
発表(グループA)



◎まとめ  NPO法人全国水環境交流会 山道省三
山道氏
A)普及啓発⇒自分ごととして
何でごみを拾うのか、ごみの問題を自分ごととして、もっと身近な話としてとらえられるようにしたい。
B)流域連携⇒役割分担
流域内での上中下流、世代間などの違いや分野それぞれでの役割を持ち、連携することが重要
C)生業⇒目標に向けての工夫
身近な問題として目標を与えてあげることが大事。それに向かっての工夫・啓発となる

【パネルディスカッション】
■パネラー:環境省 水・大気環境局水環境課 課長    渡邊康正 様
      国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課 田中里佳 様
      保津川遊船企業組合            森田孝義 様
■コーディネーター    NPO法人プロジェクト保津川 原田禎夫様

渡辺氏
田中氏
森田氏

原田氏



■主な内容
コーディネーターの原田氏の進行で川ごみの課題を解決するための取り組み、必要なことなど   についてパネラーを中心に話を伺いました。
・いろいろな人を巻き込み、つなげ、川への関心を高めたい。
・カッコよくごみ削減をしたい。
・マイクロプラスチックなど、一般の方の関心も高まった、これからは発生抑制が課題。
・経済的インセンティブを与えるなど総合的なアプローチが大事になるであろう。
 レジ袋削減、PETボトル削減にしても、お金のコスト減となれば動くようになるでしょう。
・市民の理解が必要。
・教育との連携が普及の突破口になるのではないか。
など、パネラーさんたちのそれぞれの立場で、またそれぞれの想いとしてお話しいただきました。

【閉会】
全国川ごみネットワーク座長で、ふるさと清掃運動会の亀山久雄による閉会の挨拶で「第3回川ごみサミット亀岡保津川会議」の幕が閉じました。