開催にあたって

3回目となる今年度の川ごみサミットは、初めて東京を離れて京都府亀岡市で開催します。急流を下る保津川下りで知られる保津川が市内を貫くように流れる亀岡市は、内陸部の自治体としては全国で初めて海ごみの発生抑制に取り組むことを市の総合計画に掲げ、地域をあげて活発な取り組みを進めています。

5月に三重県で開催されたG7伊勢志摩サミットでも、前回のドイツ・エルマウサミットに引き続き「(G7各国は)資源効率性及び3Rに関する我々の取組が、陸域を発生源とする海洋ごみ、特にプラスチックの発生抑制及び削減に寄与することも認識しつつ、海洋ごみに対処する」ことが確認されました。

今や海ごみ問題は、決して海岸部だけの問題ではなく、地球規模の環境問題となっています。最新の研究によれば、現在、世界で年間800万トンのごみが海へ流出しているといわれています。これは毎分ごみ収集車1台分のごみが海に流れ出している計算になります。そして、このまま何ら手を打たなかったら2050年には重量で魚よりゴミのほうが多くなるといわれています。いったん海に流れ出したごみを回収することはほぼ不可能です。さらに、ごみの大半を占めるプラスチックごみは紫外線や波の力でどんどん細くなり、生態系にも深刻な影響をおよぼしています。

海ごみ問題の解決には、海に流れ出す前に川で、川に流れ出す前にまちで、そしてそもそもごみを出来るだけ出さない社会の仕組みづくりが欠かせません。今回の川ごみサミットを通じて、参加者の皆さんとともに議論を深めたいと思います。みなさまのご参加をお待ちしています。