第1回 川ごみサミット宣言
川は私たちの身近なところにあり、ときには災害をもたらすこともある一方で、多くの人々に親しまれ、私たちはその恵みを享受してきました。山、里、まち、海へとつながる水循環の役割を果たす川は、いま多くの課題も抱えています。
洪水が発生すれば大量の樹木や流域にある散乱ごみは河口まで到達し、さまざまな影響を与えます。とくに私たちの生活に不可欠となって使われているプラスチック系のごみによって、河川や海洋の生態系への悪影響が懸念される事態に至っています。
私たち大人世代の責任として、これらの河川ごみを拾うだけではなく、川や海に関わる人々が共に手をとって発生や流出を抑制し、美しい川や海を取り戻すために行動すべき時期に来ています。そこで、全国の河川・海洋環境保全に取り組む市民団体・個人、行政担当者、民間事業者及び研究者らの力を結集し、解決に向けた方策を検討し行動するための第一歩として、東京において「第1回川ごみサミット」を開催しました。
二日間にわたり、①ネットワークを広げる、②川ごみを知ってもらう、③川ごみ対策に向けて、について意見交換を行い、クリーンアップ活動を体験し、情報共有を重ね、以下について確認したことを宣言します。川ごみの削減に向けた中期的行動この度一堂に会した河川及び海洋環境の保全活動に取り組む市民団体や個人、行政担当者、民間事業者及び研究者は、当事者のうちのごくわずかです。今後、この活動・行動に係る人々を増やしながら、下記のとおり 5 ヵ年程度を目安とした当面の間、継続的に展開していきます。
また、川ごみサミットを継続的に開催していく中で、短期的に取り組んだ成果を確認し、より良い方策を探っていくこととします。
○第1 課題の共有と目標の設定
解決に向けた話し合いの「場」を持ち、維持(事務局の設置)する。
○第2 解決に向けた方策の検討・立案
役割分担とスケジュールを共有する。
河川の流域特性毎に行動プログラムを立案する。
○第3 行動プログラムの実行と社会的制度の整備・構築
河川協力団体制度等を活用し、全国の河川流域において行動プログラムを実施する。
最後に、2020年、東京でオリンピック、パラリンピックが開催されますが、来日された多くの国々の人々に美しい東京、日本の姿を感じてもらうことができることを目指して、今、新たな取組みを始めます。
2015年1月24日
第1回川ごみサミット参加者有志